COVID-19禍の医学会・研究会はデジタル・コミュニケーションで解決

医学会開催とデジタルコミュニケーション
新型コロナウイルス禍における医療・福祉の学会・研究会等への学会員、及び患者等への広報PRは機能しているでしょうか?
既に多くの学会、研究会がオンラインでの学会・研究会を実施し、その評価は分かれております。成功か不成功かの違いはどこにあるのかが見えてきております。特に海外では従来から学会にソーシャル・メディアを組み合わせたカンファレンスが行われていた経験が大きく寄与しております。
ここでは学術総会中及び総会後のフォローアップにも効果がある医療関連団体向けにデジタル・コミュニケーション運用について検討してみます。参考に2020年7月にオンラインで開催された欧州放射線学会(ECR)のTwitterの投稿をピックアップしてみました。
  1. 目的
  2. 想定される課題
  3. 解決策
  4. 期待される結果(効果)
  5. 広報PR機能のチェック
【欧州放射線学会のバーチャル学会と展示会】参考
新しいオンラインの技術を採用

【バーチャル会場図】参考
会場をバーチャルで表示

1.目的:学術総会やウェブカンファレンスを効果的にし学会の価値向上とプレゼンス強化

学会を実際に開催する場合とオンラインでの開催では、全てが同じにはなりません。会員間のコミュニケーションや会場の雰囲気、会員の関心などを伝えることはウェブカンファレンスに置き換えただけでは課題が多く想定されます。従来のように集まって知識を共有し、多くの会員との直接な対話がもたらすものは特別な雰囲気があります。このような課題を解決するデジタル・コミュニケーション、即ちデジタル・マーケティング&コミュニケーションでモチベーションの維持や会員の満足度向上を図ります。この記事での目的は下記の通りです。
  1. 学会参加の啓蒙および一般向けのプレゼンス強化
  2. 学会員の満足度向上
  3. 会員間関係強化(共感、共有)と効果的な業務運用

【新型コロナウイルス感染症のCT画像の発表】参考
気に入った演題を投稿し共有。

2.想定される課題

課題として下記の点が考えられます。
  1. 会員に学会期間中の雰囲気が伝わり難く、運営の枠組みが理解されにくい
  2. 会員が背景を理解したうえで情報を共有し難い
  3. 会員同士の情報交換、または意見の交換が困難または疎遠になりやすい。
  4. 学会のプレゼンス低下と参加会員の減少、特にオンライン化に消極的な会員の存在と新しい取り組みに積極的なグループのかい離
  5. メディアを始めとして英語圏などへの情報の伝播が低下する

【学会期間中の企業の無料のオンライン(例)のオープニング】

3.解決策

  1. ウェブカンファレンスとソーシャルメディア(SNS)及びウェブを連携し枠組み構築
  2. 会員のためにツールとしてのオンライン・カンファレンスを理解促進するトレーニングとガイドライン設定(写真撮影を含む)
  3. 学会・研究会参加を啓蒙し、マーケティング視点でのPRとコミュニケーション、特に消極的参加の会員対策
  4. 「#」タグを使ったライブチャット等でポスター展示、各セッションの意見交換。英語圏とのコミュニケーションの可能性
  5. ソーシャル・メディア、アンケートで会員の反応を瞬時に可視化(自動)し運営に反映させる機能

【バーチャル展示会ブース】
企業の展示ブースもバーチャル配信

4.期待される効果・結果

(2)に示すように同じ課題を持つ学会員同士が自立的に検討でき、不参加の会員や会員以外の方にも参加の動機づけにより学会価値向上につながります。さらに同じ課題で悩んでいる会員や医療関係者にもリーチし学会の認知向上に資することが可能です。
オンライン学会への参加に消極的な会員をスポイルすることなく可能なかぎり対策することで、信頼構築、満足度向上につながります。
こうしてオンラインだけでなくマスメディアへのプレゼンスの強化も可能です。同時に英語圏への発信も同時に可能となりますので、海外の学会へのプレゼンスも高まります。
ソーシャルメディアとカンファレンスの組合せは単にツールの利用に留まらず、文化的、社会的行動を構築、ニューノーマルにまで言及することになります。カンファレンス期間中だけでなく日常のオンラインでの接触のあり方を大事にしていくことが理解されていきます。また運営には多くのノウハウが必要ですので試行錯誤もありますがゼロからではさらに多くの時間が必要です。

5.広報PR機能のチェック

広報PRの機能のチェックはまずは現状分析をお奨めします。最新のマーケティング・コミュニケーションのチェックシート(無料)ご希望の方はこちらまで。→ メール

 

●参考【新型コロナウイルス感染症を経験した医師からの発表】
関心がある演題を共有。

オンライン・カンファレンスも実施し、ソーシャルメディアを使ったマーケティングから広報PRまで積極的に推進しているメイヨー・クリニック
メイヨークリニック ソーシャル・メディア ネットワーク

オンライン・カンファレンスを早くから運営しているソーシャル・メディア(SNS)の最大規模の団体 Social Media Examiner

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