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病院危機管理

ソーシャル・メディア時代の病院危機管理

ソーシャル・メディアの利用が若い人(20-30歳代)を中心に拡がっています。(総務省 インターネットの利用状況

病院・医療関連団体でソーシャル・メディアを利用していないから、危機管理には関係無いと考えている担当者がおります。本当にそうでしょうか。リスクは悪ふざけの写真の投稿と炎上だけではありません。このようなリスクは法律で全て解決することはできません。

 

医療関連・病院についてのソーシャル・メディア利用実態

医療関連・病院についてのソーシャル・メディア利用実態はどうでしょうか。状況として次のことが起きています。

  1. 当該医療団体の公式アカウントがあってもなくても、自称応援団という人は「●●病院」としてソーシャル・メディアを運営しているケースがあります。
  2. 公式アカウントの有無に関わらず、消費者または患者は「●●病院」について、良いことも、悪いことも投稿します。
  3. 病院の情報または総務担当者のソーシャル・メディアのリテラシーが高ければ問題無いのですが、担当者はほとんどが個人で利用する程度の知識、知見しかありませんので、リスクさえも認識できないことです。
  4. 病院職員の不満が投稿されている。
  5. 患者の不満、診療についてのクレームが勝手に(当然ですが)投稿されている。

ソーシャル・メディアと従来の風評被害の違い

従来はクレームや不満は、対話、電話やメールなどで対応することが多かったのですが、現在はソーシャル・メディアで、簡単に発信でき、それがコピー(シェア)されるので伝播速度が非常に早くなっています。このため、例え投稿の内容が間違っていて発信元が削除しても、コピーされインターネットのどこかに同じ情報があるなど情報すべてを削除することはできません。

ソーシャル・メディア上での投稿は個人として、または病院職員としての立場なのかは第3者が見たときにはわかり難い状況になります。投稿は何気なく自分のこととして投稿したことが病院への不満を想起させてしまうことがあります。このときには結果として病院の労働条件などへの悪いイメージが発信されたとなることがあります。

 

ソーシャル・メディア危機(リスク)管理

ソーシャル・メディアについて知らなかったでは済まされない時代となりました。管理システムと職員の理解による危機管理対策が必要となっています。

 

 参照:最新ホームページの傾向2017年

  新しい患者像と広報の潮流

 

 

社会学

ソーシャルメディアと社会学

社会学的なアプローチを知らないと、ソーシャルメディアに関する戦略は策定できない?!

少しいつもの内容とは異なるが思いきって調べてみました。

この内容は メイヨークリニック(Mayo Clinic)が出版したしたBringing the social Media #Revolution to Health care のなかで、 Meredith Gould,Ph.D. (@MeredithGould) 医師がソーシャルメディアを考えるなら「社会学について考えよう」という記事があり触発されました。

中身は社会学の知識が無い私には正確に訳せる自信がありませんが、結論だけ書くと次のようになります。

戦略策定時にどのようにソーシャルメディアを使うかを議論するときには社会学の基礎がとても重要である。
さらに、より良い医療と医療提供を実現するためにも、より社会学を考える必要がある。
即ち、Meredithさんは戦略策定時に文化のニュアンスを確認するためには、ターゲット市場の人口実態だけでなくその先のコミュニティ(グループ)、年齢、性別、民族性、宗教、社会経済状況について見るとしています。

 

ここまで読んでもよくわからないので、このことがきっかけで、中川輝彦、黒田浩一郎先生の「よくわかる医療社会学」ミネルヴァ書房を読むことになりました。その中で、病気の行動、医師と患者の関係、死の意識などの項目がヒントをくれそうです。

確かに、医療リテラシーのみならず政治、宗教、年齢、家族構成、個人の経済状況、社会的状況などを考えないと一人ひとりの患者との対話またはコミュニケーション時に障害で発生することが予測されます。

各職員のレベルで「患者中心の医療」を実践するためには、まずは職員の理解と納得が得られなければならないと進まないと考えています。

患者中心の医療とデジタルマーケティング

患者中心の医療とデジタル・マーケティング

Webマーケティングからデジタルマーケティングへ
近年、インターネットでの情報発信は、より患者中心に考えたコンテンツやメディアの使い方に進化しています。

従来、医療関連のWebマーケティングは病院サイトや広報誌など自院が持つメディアによって、受診希望から医療機関を選択して受診する 態度変容を促進するソリューションでした。また、ウェブへの誘導はほぼ無くて、パンフレットや交通広告などのメディアが中心でした。

このようにWebマーケティングは、他の媒体または口コミで関心を持ち、自院ホームページに誘導されたてきた潜在ユーザーをいかに自院を選択させるかが、施策の中心でした。つまり診療内容がきちんと記述されているサイトであったり、わかりやすく迷わないサイト、などがよいとされていました。

オンライン広告は、もちろん、Webへの流入施策として有効でしたが、Webに使われる検索エンジンの利用も始まったばかりです。自社メディアの データを分析するツールも開発されて間もない頃で、オンラインのデータ分析ツールも多く開発されています。

このような技術的な背景により、患者中心の医療を具体的にし、患者体験をより効果的にすることを検討、展開する時代になりました。ここで患者体験とは、患者または家族が健康なときから死ぬまでを連続的に俯瞰します。でも、それをサポートする従来のウェブマーケティングは、一部分だけを取り出したものです。

従って、Webマーケティングは、ユーザーの態度変容のうちの、受診希望から受診というところに限って行なうマーケティングに特化していたのです。ウェブ広告 は単なる認知をさせるツールであり、2012年頃から盛んになりました。

このうちソーシャルメディアマーケティングは、この態度変容のうち、ナーチャリングという、興味を促進したり、比較・検討をする段階に強いマーケティング手段です。

このようにメディアやツールを使うマーケティングを統合して、デジタル・マーケティングとしています。即ち、一連の患者体験(ペーシャント・エクスペリエンス)は患者中心の医療と同じように、患者との接点をすべて洗い出して、患者満足度を改善するマーケティングになりました。

連続性を確保する技術もツールもデバイスも足りなかった時代がWebマーケ ティングの時代でした。そして、ペーシャント・ジャーニーなど分析方法が開発されたことに合わせて、スマートフォンが登場し、検索エンジンが充実し、ソーシャルメディアが普及して、多くのデータを分析して患者の考え方を類推する方法が確立しました。これにより統合的にマーケティングができるようになりデジタルマーケティングの基本が構築されました。

●デジタルマーケティングプラットフォーム 

デジタルマーケティングプラットフォームとは、患者が利用するデバイスやメディアを使って、あらゆる患者接点で、患者に最高の体験を与えるためのシステム基盤です。

患者接点の多くがデジタル化され、大量のデータを分析して患者の好みや思考を推測して、最高の患者体験を短時間に提供できます。即ち、救急医療を求めて居る患者に療養型の情報やデータを提供しても邪魔なだけで満足度は上がりません。

さらに急性期医療でも手術前と後では患者が必要としている情報は異なります。いまままではそうでしたが、それらをまとめて提供しても患者は必要な情報をピックアップするので決して満足度はあがりません。

このように患者接点がデジタル化することは、分析できるということです。デジタルマーケティングプラッ トフォームは広い意味で、病院などWebやデジタル広告だけで完結しないものも含めて、患者体験をサポートしようとするものです。

患者の情報調査について連続的に追跡できれば、患者の今の状態、いつどこにいて何を考えているか、をリアルタイムに把握し、適切な情報を提供し、最高のコミュニケーションを行なうことがデジタルマーケティングの特徴です。デジタル・マーケティングをまとめると下記の3点になります。

  1. 従来のアクセス解析で得られる情報よりも比べ物にならないくらいのたくさんのデータが取得でき、タイミングまでも把握できるようになりました。例えば患者またはユーザーの現在望んでいるものは検索しますので、そのキーワードと検索している人が紐づけられると、その人にはそのキーワードに関連した情報を提供すればよいことになります。
  2. さらに患者は病院ホームページで必要な情報を見ますので、分析すると、検索ワードや、サイト内のどの情報をどれくらいの時間見ているかがわかります。さらにソーシャルメディアを分析すれば、受診前に患者の医療や病気に向き合う姿勢に関して情報も入手できることがあります。同様になぜ受診したのか、受診した結果、どう感じているかがわかる場合があります。
  3. スマートフォンなどの普及で、まさに患者の今の状態を把握するなど、リアルタイムの分析が可能となりました。このような技術で今後、遠隔医療の不足している情報を補ってくれる可能性があります。

すべての医療機関でこのような対応が必要とは思いませんが、忙しい医療業務を少しでも自動化して、患者にストレスを与えずに必要な情報が提供できればより診療にも役に立つことになります。さらに、患者が知りたがっていることを、医師が説明するだけではなくて、専門の医療従事者や手が空いた医師が対応する仕組みによって、患者対応をより効率的にしていくことも既に実現していいます。

即ち、デジタル・マーケティングは患者の認知を上げることだけなく、患者の満足度向上、病院経営の合理化にも大きな力を発揮する時代になっています。

参考:最新病院ホームページの傾向2017年

参考:デジタルと広報戦略2017年

患者中心の医療

患者中心の医療の効果

病院経営において、収支とともに重要なのが患者満足度である。

大半の医療施設では、患者満足度向上というと接遇や、施設の改修に注力することを頭に描くが、近年言われている「患者中心の医療」では、日本でのケースが少ないこともあって下記の本をもとに議論されていることが多くみられる。

Patient-Centered Medicine, Third Edition: Transforming the Clinical Method(Moira Stewart)初版1995年で現在3版

即ち、患者が置かれた環境(医療、経済的)の中で、すべての患者との接点においてコミュニケーション改善をして満足度を高めていくことが求められており、その解決策として患者中心の医療が重要になっている。患者中心の医療にはどのような効果が期待できるのかまとめてみた。

「患者中心の医療」の定義は日本では特に見当たらないので、まとめると「患者の状況を知ったうえで好み、希望、価値観に敬意を払いながら、意思決定することを保証するために情報提供と支援を可能な限り継続し、この過程を経て患者満足度を改善していく」ことである。この意思決定を患者が納得して行うことで医療提供側と信頼関係を構築し、自ら治療へ積極的に参加するモチベーションを上げることができ、より良い治療結果を得ることができる。このような過程を経て患者満足度を改善していく。

患者中心の医療を提供するには医療提供に加えて、一人ひとりの患者が抱える病気だけでなく経済的、家族的な問題などあらゆる課題や想いを考慮した上で、共有した医療情報をもとに患者に一人ひとりのために治療の方針を立て、医師だけでなく医療チームのそれぞれが共有した情報に基づいて医療を提供することを意味する。

いままでEBMを医療提供の中心においてきたが、患者中心の医療ではナラディブベースメディスン(NBM)が軸になっている。NBMは各コミュニケーションを基本に構築していくので、患者の状況がすべて異なるように基本的な対応はあるとしてもスタンダードな技術は無いとしている。この結果として情報量がさらに増加し、より複雑になることが推測される。

このように患者の望み通りの医療をそのまま提供するということでない。さらにホテルなど一般サービス業のように患者をお客様扱いして接遇や施設をよくするだけの考え方ではない。医療機関の関係者は患者毎の要望を踏まえながら最善の判断をするための努力を積み重ねるので、どのようにお互いが納得するかの議論を重ねていくような厳しい作業もある。このように医師(医療関係者)と患者の共同作業で治療方針や治療継続について検討し修正していくというイメージになる。

●患者中心の医療の効果

このように今までの概念を変えていくことになるが、患者中心の医療による効果は下記の点が認知されている。

  1. 患者満足度(竹村洋典
  2. 患者が自身の病気を理解し、治療に対して主体的に関わる姿勢(アドヒアランス)
  3. 業務効率
  4. 診療アウトカム
  5. 診療の質

意思決定は患者の責任としているが、その決定を信頼関係のもとに医療関係者が適正に支援することで患者は意思決定をより円滑にすることができ、最終的には患者満足度が改善するものとしている。医療提供側も情報の提供や無用な懸念に時間を費やす時間などが低減し、業務効率の改善も可能となる。

●次回は患者中心の医療を日本で導入する上での課題について、考えてみます。

メイヨークリニックの経営・マーケティング会議2016年

ソーシャル・メディア

メイヨークリニックソーシャル・メディア ネットワーク ミーティング レポート

2016年5月に メイヨークリニック(ミネソタ州)でメイヨークリニック・ソーシャル・メディア・ネットワーク・ミーティングが開催され、米国内だけでなくオーストラリアやカナダからの医療関係者が参加した。

内容はソーシャル・メディアを使うメイヨークリニックの経験の共有に留まらず、ソーシャル・メディアの専門家、医師、看護師、マーケティング担当者などがベストプラクティスを発表した。

今年の注目したことは、ソーシャルメディアの基本的な知識はEラーニングで確認して実践的な内容に集中していた。さらにデジタル・マーケティングを進化させてペイシャント・エクスペリエンスの導入、手術前患者教育の進化、院内コミュニケーションの促進、理念の浸透、コミュニティーの充実など目を見張るものがあった。 続きを読む

「患者教育センター」メイヨークリニック

メイヨークリニックの患者教育センター

メイヨークリニックの患者教育センター

この写真を見ると、博物館の入口のような感じですが メイヨークリニック(米国)の患者教育センターです。

患者教育センターは日本の患者相談室や患者支援センターとは似たようなイメージかもしれませんが、明らかに目的が異なります。このセンターの目的は患者自身が病気を知ることです。従って入院支援とか退院支援とかはここでは業務していません。 続きを読む

ペイシェント・エクスペリエンス(Patient Experience)

ペーシャント・エクスペリエンス

ペイシェント・エクスペリエンス

従来皆保険制度の下、同じ医療サービスを提供することに医療機関は注力してきました。
しかし医療制度改革ではコストを下げて、医療の質を上げることに方針を転換しました。即ち差別化または競争を促しています。
医療機関は医療の質を向上させることは当然ながら、よりよいサービス提供が重要になります。

続きを読む

メイヨークリニックの病院経営

患者視点の病院経営

メイヨークリニックの病院経営

97億ドル(約1兆円)の収益と6万人が働くメイヨークリニック(米国ミネソタ州)は経営ノウハウを共有するメイヨークリニック ソーシャルメディア ネットワーク ミーティングを開催、過去3回参加しているが今年はさらに進化した内容を共有できた。2014年会計資料

今年のテーマは 「学び、成長、つながる」で、継続的な進化とステークホルダーと絆を築いていくことが方向として示された。初日にはマーケティング戦略や戦術についてワークショップがあり、メイヨークリニックのノウハウが参加者に開示された。

今年はソーシャルメディアのベストプラクティスをメイヨークリニックだけでなく他の病院担当者からも多くの報告があった。例えばオーストラリア私立病院協会のマーケティング部長からはTwitterでの成功事例が発表された。

ソーシャルメディアはマーケティングの一環としてとらえられるが、そこには単にソーシャルメディアの使い方にとどまらず経営理念に基づく戦略が明確に反映されているものであった。そして今年はより明確に患者視点の病院経営を推進しているとの報告があった。その内容は興味があるもので「コネクトConnect」というホームページが設置されている。このホームページの目的は宣伝でも広報でもなく患者支援を目的として設置している。このウェブサイトを担当する看護師から経過や課題について発表された。

さらに、患者視点(英語ではPatient Experience;ペーシャント・エクスペリエンス)としてマーケティング、病院広報のあり方の進化が発表された。患者サービスの在り方や自院を嫌いな人たちとの付き合い方などかなり実際的な内容もあった。

このように多くのマーケティングおよびソーシャルメディアでの実績を作ったメイヨークリニックは 米国のソーシャルメディアでも医療ソーシャルメディアのゴールデンスタンダードと評価されている。

日本ではこのようにソーシャルメディアの取り組みは盛んではないが、ソーシャルメディアや患者視点の経営を思考するのであればこのようなサイトやミーティング(年1回開催)を見本とすることを勧めます。

メイヨークリニック ソーシャルメディア

メイヨークリニック ソーシャルメディア ミーティング

医療事故調査制度説明会の動画(厚生労働省)

患者側からの医療事故調査要求が安いコストで、決まった窓口で10月1日から受け付けできるようになった。
その説明会が行われ、下記にその動画が掲載されています。

厚生労働省のホームページによると、
医療事故調査制度は、平成26年6月18日に成立した、医療法の改正に盛り込まれた制度です。制度施行は平成27年10月1日です。
○ 医療事故が発生した医療機関において院内調査を行い、その調査報告を民間の第三者機関(医療事故調査・支援センター)が収集・分析することで再発防止につなげるための医療事故に係る調査の仕組み等を、医療法に位置づけ、医療の安全を確保するものです。 続きを読む